第20号(2014年9月30日)

飲酒党のあなたは日本酒は好きですか?若山牧水に日本酒のうまさをしみじみと歌った歌がある。「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけれ」。それにしてもおいしい日本酒が少なくなった。酒造環境研究会編の『挑戦する酒蔵―本物の日本酒を求めて―』は、真に日本酒を愛する人必読の書としてお薦めしたい。

日本酒の原料は米である。この米について、安藤昌益は「穀物の精が人になっている」と言うほど穀物のもつ活真の精髄に惚れ込んだ。そして、自分は死んだら穀物になってしばらく休んでまた人間になって、いつか必ず活真の世にしてみせると言った。

東アジアの人々はおもに米を主食としている。麦も含め穀類はアジアの食のエネルギーの源なのだ。その米がTPP貿易交渉で「非関税障壁」の一つとしてやり玉にあがる。日系アメリカ人の大貫恵美子ウィスコンシン大学教授は『コメの人類学―日本人の自己認識―』を著して、米は“日本人の魂”だと指摘した。お隣り韓国でも、米作文化の危機を深刻に受け止めている。

エスキモーのようにアザラシやクジラを主食にしている民族もある。食は地産地消が健康にかなう。マメ、トウモロコシ、イモ等々。主食を大事にしたい。

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