第19号(2014年7月30日)

新しい時代、新しい社会を構築するためには新しいエネルギーが必要である。産業社会の発展に不可欠な動力エネルギー資源として、石炭・石油などの化石燃料がある。化石燃料は科学革命の原動力となった。しかし、地球環境が危ぶまれるなか、自然エネルギーのみを活力資源とする文明のあり方に人々は限界を感じ始めている。

もう一つの活力資源が我々には必要なようだ。それは活命エネルギーの源泉としての古典ではないだろうか。書店に行けばノウハウものや興味を引く書籍であふれているが、古典のコーナーは小さな本屋だと見当たらない。古典は文字通り古いだけで、かえりみる価値もないのだろうか。そうではあるまい。

古典とは、長い時代の風雪にも政治や文明や価値観の変転にも堪えて人類の魂の糧として古くから生き残ってきた宝の書籍という意味である。

昨今の日本では『論語』の読み直しが盛んに行われており、「仁」の解釈についても刮目すべき指摘がなされている。古典はあまりにも深い。だから二千五百年の歳月を経てその真価がようやく発見されるということも起こる。その瞬間から歴史が、文明が変わりうるほど、活力資源としての古典のエネルギーは巨大である。古典に挑戦しようではないか。

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