第9号(2013年3月15日)

東方遠征で知られる大英雄アレキサンダー大王(前356~323年)は弱冠二十歳でマケドニアという小国の王位を継承した。

彼の教師はプラトンの弟子アリストテレスである。遠征の前夜、宴会をするが、領地や森林や財宝など自分の持ち物全てを仲間に与えてしまった。ある貴族が王に尋ねた。「王よ、あなたには何も残らないではないですか?」。アレキサンダーは言った。「私には希望がある」

▽破竹の勢いで連戦連勝したアレキサンダーは4万の兵を率いてペルシャ100万の大軍と最後の決戦に臨む。部下の将軍が進言した。「この大軍に勝つには、夜襲しかありません」。アレキサンダーは言った。「私は勝利を盗まない」。ペルシャ側は夜襲を予想し、全軍完全武装で眠りを断った。一方、ぐっすり眠って元気一杯のギリシャ軍は一気呵成に敵陣を蹴散らして完勝した

▽日本の現状は極めて厳しい。日本の未来に希望はないのだろうか? 否。一番深い闇は暁暗を孕む。絶望してはならない。矜持を捨てて「勝利を盗む」ようなことをしてはならない。断じて魂を売るな。我々は勇気を持って良心に忠実にいきようではないか。

自他非分離のネットワーク。そこに未来共創の実像がある。

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